デジタル遺言が国会で成立!これから遺言はどう変わる?
2026年6月、遺言制度が大きく変わる法改正が国会で成立しました。
今回の改正で最も注目されているのが、「デジタル遺言(保管証書遺言)」の創設です。
これまで「遺言は手書きで作るもの」というイメージがありましたが、今後はパソコンやスマートフォンを利用して作成できる新しい遺言制度が導入されます。
今回は、デジタル遺言とはどのような制度なのか、分かりやすくご紹介します。
デジタル遺言とは?
デジタル遺言とは、パソコンやスマートフォンなどの電子機器を利用して作成し、法務局で電子データとして保管する新しい遺言制度です。
正式には「保管証書遺言」と呼ばれています。
これまでの自筆証書遺言では、
- 全文を手書きしなければならない
- 書き間違いによる無効リスクがある
- 紛失や改ざんのおそれがある
という課題がありました。
デジタル遺言は、これらの問題を大きく改善する制度として期待されています。
どんなメリットがある?
① パソコンで作成できる
手書きではなく、パソコン等で文章を作成できます。
高齢者や身体が不自由な方でも、文字を書きやすくなります。
② 法務局で安全に保管
完成した遺言は法務局で保管されます。
そのため、
- 紛失
- 改ざん
- 相続人が見つけられない
といったリスクが大幅に減ります。
③ 相続人への通知制度
一定の場合には、遺言者が亡くなった後、法務局から相続人へ遺言が保管されている旨の通知が行われる予定です。
「遺言書があることを誰も知らなかった」というケースを減らす効果が期待されています。
④ オンライン手続きも可能に
制度の整備後は、本人確認などもオンラインで行える予定です。
遠方の方や外出が難しい方でも利用しやすくなります。
今すぐ利用できるの?
まだ利用できません。
法律は2026年6月17日に成立しましたが、制度の開始(施行)は今後、システム整備などを経て行われる予定です。
現時点では、従来どおり
- 自筆証書遺言
- 公正証書遺言
を利用することになります。制度の施行時期は公布後3年以内に政令で定められる予定です。
今、遺言を作るべき?
「デジタル遺言が始まるまで待った方がいいですか?」
というご質問をいただくことがあります。
しかし、答えは**「待たない方がよい」**です。
事故や病気はいつ起こるかわかりません。
遺言が必要だと思ったときが、作成するタイミングです。
現在でも、公正証書遺言や自筆証書遺言書保管制度を利用すれば、安全性の高い遺言を作成できます。
行政書士からのアドバイス
遺言は「書けば終わり」ではありません。
財産の書き方や相続人の指定方法を間違えると、せっかく作成した遺言でもトラブルになることがあります。
また、
- 相続税
- 遺留分
- 不動産の名義変更
- 預貯金の解約
なども考慮した内容にすることが重要です。
専門家のアドバイスを受けながら作成することで、ご自身の意思を確実に残し、ご家族の負担を大きく減らすことができます。
まとめ
デジタル遺言の創設により、今後はより安全で利用しやすい遺言制度へと進化していきます。
一方で、制度の開始まではまだ時間があります。
「そのうち作ろう」と先延ばしにせず、ご自身やご家族のために、早めに遺言について考えてみてはいかがでしょうか。
おぐり行政書士事務所では、公正証書遺言や自筆証書遺言の作成支援、相続に関するご相談を承っております。
初回相談もお気軽にお問い合わせください。
